Diario di Carta-Studio 小さな工房の日記

日々の出来事、作品作り、美術品修復に関することなどを綴ります

2023-01-01から1年間の記事一覧

保存修復処置にも原則があります

修復の勉強を始めた時、修復を教える時、 必ず説明する「保存修復の原則」 修復の原則 1 原形保存 2 安全性 3 可逆性 4 記録 「原形保存の原則」 保存をするとき、史料の原形(史料の包み方など)を できる限り変更しない。 修復処置は必要最小限にとど…

付せんには気をつけて

先日頼まれたお仕事。 欠けた文字 実はこれ、付せんを剥がした結果とのこと。 わざと文字の上に貼ったわけではないと思うし、 こんなことが起こるとも思っていなかったと 思うのですが、付せんの粘着剤は意外と強い。 「付せんこわいですね~」 「そうなんで…

SDカードが壊れた…

気がつけば6月。 すごく忙しかった、というわけではないのですが 気がつけば6月になっていました。 5月は友人に会う機会が多く、久しぶりに楽しい時間を 過ごせました。 友人に会うといろいろ刺激を受けるため、最近眠っていた 「やる気」が少し起き上がりま…

日本橋七福神めぐりをしました

時間があったので、少し出かけて人形町七福神めぐりを してみました。 都営新宿線浜町駅を降りて、笠間稲荷神社からスタートしました。 こちらは寿老人が祀られています。 つづいて、 末広神社へ こちらは毘沙門天が祀られています。 続いて松島神社。 こち…

「重要文化財の秘密」展(国立近代美術館)

「東京国立近代美術館70周年記念展 重要文化財の秘密」 を見に行きました。 展示されているすべての作品が重要文化財というぜいたくな展覧会です。 しかも、撮影可能な作品が多かったのですが、混雑具合に写真を撮らずに 回りました。 入ってすぐに狩野芳…

家康、波乱万丈!展(国立公文書館)に行ってきました。

4月15日から国立公文書館で開催している 「家康、波乱万丈!」展を見てきました。 今回は大河ドラマに合わせての展示なのだと思います。 重要文化財に指定されている『吾妻鏡』もありました。 さらに4月28日から5月7日まで 「日本国憲法」原本が展示されるそ…

からくり屏風を作ってみました

以前から気になっていたからくり屏風を 作ってみました。 蝶番(ちょうばん)の仕組みが分かると 構造が分かります。 もう1種類 正方形だと分かりにくいですが、 本当は縦長に開き、 横長に開く。 構造は理解できました。 あとは、センスなんですよね…。 セ…

新作 中綴じノート

中綴じノートを作りました。 「中綴じ」は複数枚の重ねて真ん中で綴じたノートです。 綴じには糸を使っています。 表紙は友禅和紙を使用しています。 ご興味のある方はミンネのページもご覧ください。 CARTA-STUDIO'S GALLERY - 作品一覧 | minne 国内最大級…

和綴じノート(半紙ノート)新作

今日は和綴じノートを作りました。 今回は、本文紙に書道半紙を使用しています。 書道半紙、意外とボールペンでも書きやすい。 墨がいちばん書きやすいと思い込んでいました。 でも、柔らかい紙なので下敷きは使った方がいいかも しれません。 筆ペンなら下…

芳幾芳年-国芳門下の2大ライバル 展を見に行きました。

9日まで三菱一号館美術館で開催していた「芳幾 芳年 国芳門下の2大ライバル」 展を見に行きました。 実は、展覧会の内容を調べずに出かけてしまい、芳年の妖怪画があるかと 思って出かけたのですが、全然異なりました。 今回の展示は、歌川国芳の弟子であ…

プラモデルの町、家康の町、静岡②

先日、静岡に帰省しました。 1月にも帰った時もプラモデルのようなポストがあった話をしましたが、 carta-studio.hatenablog.com 今回もまた見つけました。 まず駅で。 いつからあったのかなあ。 公衆電話を久しぶりに見ました。 そしてもう一つ。 家康の甲…

修復士としての活動の記録?というか思い出を書きました

今まで受けたことがなかったお仕事というか依頼を受けたことが なかったお仕事に文章を書くお仕事があります。 作業報告や調査報告を書くことがあっても、エッセイ?のような ものや研究論文を発表するということは全くありませんでした。 そのような状態で…

3月の読書記録

3月最終日。 今月の読書記録。 と言っても、小説とマンガ以外で読み終えたもの 1冊。 『書物の歴史』 書物の歴史 (文庫クセジュ) 作者:エリク・ド グロリエ 白水社 Amazon ずいぶん前から読み始めては、とまり 再開しては、とまる。 ということを繰り返して…

「江戸絵画お絵かき教室」展(府中市美術館)に行ってきました②

府中市美術館で開催中の「江戸絵画お絵かき教室」展の感想の続きです。 テーマ 3 江戸時代の画家はどうやって学んだのか 4 江戸絵画はヒントの宝庫 江戸時代の画家はどうやって学んだのかをテーマに、中国に学ぶ、 雪舟に学ぶ、粉本に学ぶ・粉本を作る、オ…

「江戸絵画お絵かき教室」展(府中市美術館)に行ってきました①

現在、府中市美術館で開催中の「江戸絵画お絵かき教室」展を見に行きました。 展覧会のタイトルを見た時、江戸絵画のお絵かき教室とは何だろうと考えて いましたが、実際に展覧会に行き、展覧会のタイトルが意味していたことが 分かりました。 展示内容は大…

数年前の仕事

急ぎのお仕事がないため、ゆっくり作業をしています。 数年前に作業を始めたものの、自分の持ち物だったことも あり途中でやめていた作品があったので、続きを行うことにしました。 古い裏打ち紙の除去をしていたのですが、中途半端な作業だったようで、 き…

作ってみました、旋風葉②

先日に続き、旋風葉について。 前回、旋風葉は、風が吹くと本紙が吹きあがる様子から 名付けられたとお話ししたのですが、今日お話しするのは 吹きあがらない旋風葉。 旋風葉の改良と考えられている「固定形旋風葉」。 この呼び方は藤井隆氏の『日本古典書誌…

作ってみました、旋風葉①

「旋風葉」のサンプルを作っています、と言った前回。 作り終わりました! 上の写真4冊すべて、旋風葉です。 右の2冊の外観は同じですが、開くと違いがあります。 本文紙を包むのは同じなのですが、表・裏表紙を一枚で 包むパターンと裏表紙をつけたうえで、…

2月最後の日、今月の読書を振り返る

早いもので、本日は2月最後の日。 今月の読書を振り返ろうと思います。 先月末、「和紙」に関する本を読む予定と 書いた気がしますが、 carta-studio.hatenablog.com 気になることがあって、和紙のことではなく 本の装幀について調べていました。 参考にした…

卒業制作展に行ってきました

先週末のことですが、 私がお仕事させてもらっている大学で 卒業制作展が行われました。 修復を教えているので、学生によっては 「制作展」というより「修復展」という言い方が しっくりきますが、大学全体で言えば「制作」が ほとんどですし、修復コースで…

イタリア語表記のスケジュール帳を作りました…が。

毎年年末に作り、1月からminneさんで販売をしている シンプルなスケジュール帳(イタリア語表記)。 月と曜日がイタリア語です。 見開き2ヵ月。 年間カレンダー。 今年も作りました。 ...が、印刷だけして綴じずにおいていました。 気に入らないということ…

1月最後の日は読書記録を

早くも2023年のひと月が終わります。 今月、参考図書として読んだ本や ちょっと面白そうだなあと思って読んだ本をご紹介します。 専門の本は、基本的に自分の作業や知識を向上させるために 読んでいます。 教えるようになって、何となくやっていたことや分か…

プラモデルの町、家康の町、静岡

先日、用事があり静岡に帰りました。 この数年間、帰省していなかったので久しぶりの 静岡でした。 久しぶりだったので、ちょっとおまちのお散歩をしました。 プラモデルみたいなポストがありました! 3階の窓にブラタモリの手ぬぐいが見えました。 ブラタモ…

大寒の日に

今年の大寒の日、1月20日。 毎年、大寒の日に行う「古糊」の水替。 古糊というのは、掛軸や巻子に仕立てる時にだけ 使う糊のこと。 大寒の日に炊いた小麦でんぷん糊を大きな甕に いれて、5年~10年床下などに寝かせて置いた後 使用します。 10年間放置という…

毎年目標は決めるけど

特別お題「わたしの2022年・2023年にやりたいこと」 というテーマに合わせて 昨年2022年を振り返り、今年やりたいこととをまとめ ていきます。 昨年は、本業はとても順調でした。ありがたいことです。 副業というか講師業は、精神的に負担になってしまったの…

花心さん閉店

10年近くお世話になっていた 神谷町にある「榎屋 / 花心」さんが 昨年末に閉店しました。 もともとお香のお店として始まったと 聞いていたのですが、私が知り合った時には 「かりんとうまんじゅう」が有名なお店でした。 美味しかったなあ。 数年前から私が…

久しぶりの旅行

昨年のことですが、大阪に行ってきました。 久しぶりの旅行です。 この数年間、仕事以外で遠出をすることはなく、 一番遠い仕事も伊豆でした。 そろそろ落ち着いてきたかな?ということで お出かけしました。 新幹線に乗るのも久しぶり。 ちょっとウキウキし…

2023年始まりました

明けましておめでとうございます 今年もよろしくお願いいたします