先日に続き、旋風葉について。
前回、旋風葉は、風が吹くと本紙が吹きあがる様子から
名付けられたとお話ししたのですが、今日お話しするのは
吹きあがらない旋風葉。
旋風葉の改良と考えられている「固定形旋風葉」。
この呼び方は藤井隆氏の『日本古典書誌学総説』で紹介され
ています。
旋風用の背の部分を全部糊付けして固定させたものが
固定形旋風葉です。
装幀サンプルなのだから、もっとわかりやすく
作ればよかったのですが、背の部分と表裏表紙は
繋がっていません。
背が表紙と接着しています。
前回お話しした旋風葉は背に糊を塗っていません。
写真で見てわかるように固定形旋風葉は、見た目が袋とじの
ように見えます。
そのため、旋風葉ではないと考える研究者もいらっしゃるし、
もともと、背に糊がついていたものがはずれたのでは、と
考える方もいるようです。
旋風葉の数があまりなく、原装で残っているものが少ない為、
確認ができないようです。
私は残念ながら現物は見たことがありません。
今後調査などする機会を作れたら、と考え中です。
ちなみに、この固定形旋風葉から粘葉装(でっちょうそう)が
発生したとも言われています。
これで、一つ気になっていた装幀のことを調べ、サンプルを
作ることができました。
ひとまず旋風葉のことは終わりにします。