Diario di Carta-Studio 小さな工房の日記

日々の出来事、作品作り、美術品修復に関することなどを綴ります

2月最後の日、今月の読書を振り返る

早いもので、本日は2月最後の日。

今月の読書を振り返ろうと思います。

 

先月末、「和紙」に関する本を読む予定と

書いた気がしますが、

 

carta-studio.hatenablog.com

気になることがあって、和紙のことではなく

本の装幀について調べていました。

参考にした書籍は、

Kojiro Ikegami Japanese Bookbinding , Boston Weatherhill 1986年

遠藤諦之輔『古文書修補六十年』汲古書院 1987年

吉野敏武『古典籍の装幀と造本』印刷学会出版 2006年

櫛笥節男『宮内庁書陵部 書庫渉獵 書写と装訂』おうふう 2006年

 

国慶著 沢谷昭次訳『漢籍版本入門』研文出版 1984

銭残訓著 久米康生訳『中国の紙と印刷の文化史』法政大学出版会 2007年

 

日本の装幀の歴史をたどるためには中国の装幀の歴史を

確認する必要があります。

以前色々集めた資料が役に立ちました。

いつも必要そうなところだけ読んでいるので、

今回も「あ、この本に説明があった」とか

「あれ、ここにも同じことが書いてある」など

ちゃんと読んでこなかったことにガッカリしてしまいました。

とはいえ、今回読み返して(あらたに読んで)、

知りたかったことが分かったので、良しとします。

日本の古典籍に関する本3冊すべて、宮内庁書陵部

修復のお仕事をしていた方々の著作でした。

さすがの経験です。

 

今回、「旋風装」について調べました。

中国で言われている「旋風装」と日本で言われている

「旋風装」は異なるということの確認をしたかったことが

きっかけです。

恥ずかしながら、日本の「旋風装」しか知らなかったため、

Whirlwind Bindingという言葉を「旋風装」と訳されて

いたことに驚き、というのもこの装幀を「龍鱗装」と

呼ぶと思っていたためなのですが、

日本の「旋風装」と形が違うことでも混乱してしまい、

どういうことかと本を読んで確認し、理解できたのが

今月の読書の内容と言えるかのしれません。

そもそもは、装幀をみて「龍鱗装」を知り、この装幀は

「龍鱗装」であると思いこんだところから混乱は始まって

いたのだと思います。

Whirlwindは「旋風、つむじ風」と訳されますので、

Whirlwind Bindingが「旋風装」でも問題ないのですよね…。

 

現在、日本の「旋風装」のサンプル本を製作中です。

中国の「旋風装」にもチャレンジする予定ですが、

まずは3月上旬までの仕事を終わらせなくては

いけないので、もう少し時間がかかりそうです。

ちなみに今は、資料の乾燥待ちです。

 

旋風装を調べているうちに、楽しくなってきて

別の装幀サンプルも作りたくなったので、一つずつ

作っていきます。

いつとは言えませんが、出来上がり次第更新します

画像の奥の方にあるのは、パピルス

これはこれで、古代の製本サンプル作成のために

購入したもの。

表紙を作るのが面倒になってしまって、途中になって

います…。

私の悪いところです。色々調べているうちに、

あれもこれもと興味が出てきて、最終的に1つも仕上がらない。

今年は必ず終わらせる!!一つだけでも…。

 

仕事に関係ない読書は、

ずんの飯尾さんのエッセイ『師匠!いらしたんですか』

海堂尊『コロナ狂騒録』こちらはまだ読書中。

 

こころがほっこりを求めていたのか飯尾さんの本は

和みました。

海堂さんの本は、フィクションなのにフィクションではない?

と思わせる内容にあれ、これってなんのことだったかなとか

あ~、これはあのことか、などなど考えて読んでいるせいか

なかなか進みません。チーム・バチスタのシリーズですが、

ドラマしか見てないので、読むのは初です。

 

2月の読書記録でした。

来月は途中になっているものを読み終わることを

目標にします!