Diario di Carta-Studio 小さな工房の日記

日々の出来事、作品作り、美術品修復に関することなどを綴ります

保存修復処置にも原則があります

修復の勉強を始めた時、修復を教える時、

必ず説明する「保存修復の原則」

 

修復の原則

1 原形保存

2 安全性

3 可逆性

4 記録

 

「原形保存の原則」

保存をするとき、史料の原形(史料の包み方など)を

できる限り変更しない。

修復処置は必要最小限にとどめる。

できるだけ原形を残す方法・材料を選択する。

 

「安全性の原則」

史料(作品)に影響が少なく、長期的に安定した非破壊的な

保存・修復方法や材料を選択する。

 

「可逆性の原則」

史料(作品)を処置前の状態に戻せる保存・修復方法や材料を

選択する。

 

「記録の原則」

保存修復処置の記録をとる。

保存の必要上、やむをえず原形を変更する場合は、

元の状態がわかるように記録をとる。

 

 

史料(作品)になんらかの処置を行うときは、いつも

緊張しています。

処置前に必ず調査をして、必要な処置を考えます。

当然、処置に使用する材料についても考えています。

 

私は自分の師匠に紹介されたところで材料を購入する

ことが多いのですが、時々違うところでも購入する

こともあります。

原料は必ず確認しますが、それが間違っていたら…。

 

師匠から言われた大事な言葉の1つ

「誠実に仕事をしなさい」

 

原料の表示が嘘だったら、自分が誠実な仕事を

心がけても残念な結果になりますが、それでも

自分は嘘がないように誠実に作業をしたいと思います。