Diario di Carta-Studio 小さな工房の日記

日々の出来事、作品作り、美術品修復に関することなどを綴ります

芳幾芳年-国芳門下の2大ライバル 展を見に行きました。

9日まで三菱一号館美術館で開催していた「芳幾 芳年 国芳門下の2大ライバル」

展を見に行きました。

実は、展覧会の内容を調べずに出かけてしまい、芳年の妖怪画があるかと

思って出かけたのですが、全然異なりました。

今回の展示は、歌川国芳の弟子である二人の浮世絵師の活躍をテーマにした

ものです。

芳幾に関してはあまりよく知らなかったのですが、国芳の作風を継承した正統

派の弟子で後に新聞錦絵を描くようになる浮世絵師だったそうです。

今回の展示では、毎日新聞の前身「東京日日新聞」の錦絵が多く飾られていま

した。

部屋によっては撮影可能だったので、数枚撮らせていただきました。

そのうちの一枚。

 

東京日日新聞 開版予告」

 

芳年は武者絵や歴史絵だけでなく、美人画、幽霊画など多くの作品があります。

やはり、私の中では、妖怪絵なんですが、無惨絵がとても有名で、血みどろの絵も

頭に浮かびます。

芳幾も芳年も幕末から明治にかけての浮世絵師で、西洋から印刷技術が入り、

徐々に浮世絵が衰退していくことになる時代の作家です。

明治時代という世の中が大きく変化していく時代に、浮世絵師として活躍した二人

の作品を見ることができる展覧会でした。今、少し調べている作品がちょうど展示

されていたのが偶然ながらも嬉しくなってしまいました。

会場である三菱一号館美術館は、今回の展覧会の後、休館にして建物のメンテナンス

を行う予定だそうです。

この赤煉瓦の建物は、1984年に建設した三菱一号館を復元したものです。

 

三菱一号館美術館ホームページより

三菱一号館」は、1894(明治27)年、開国間もない日本政府が招聘した

英国人建築家ジョサイア・コンドルによって設計された、三菱が東京・丸の内に

建設した初めての洋風事務所建築です。全館に19世紀後半の英国で流行した

クイーン・アン様式が用いられています。

当時は館内に三菱合資会社の銀行部が入っていたほか、階段でつながった三階建て

の棟割の物件が事務所として貸し出されていました。

この建物は老朽化のために1968(昭和43)年に解体されましたが、40年あまりの

時を経て、コンドルの原設計に則って同じ地によみがえりました。

今回の復元に際しては、明治期の設計図や解体時の実測図の精査に加え、各種文献、

写真、保存部材などに関する詳細な調査が実施されました。

また、階段部の手すりの石材など、保存されていた部材を一部建物内部に再利用し

たほか、意匠や部材だけではなく、その製造方法や建築技術まで忠実に再現するなど、

さまざまな実験的取り組みが行われています。

19世紀末に日本の近代化を象徴した三菱一号館は、2010(平成22)年春、三菱一号

館美術館として生まれ変わりました。

 

今回初めていったのですが、展覧会会場としてはやや手狭だったような気がしました。

作品数や作品の大きさもまた会場の雰囲気を変えるので、もしかしたらほかの展覧会で

あれば気にならなかったかもしれません。

建物自体は、とても雰囲気がよく、展示室にある暖炉も素敵でした。