Diario di Carta-Studio 小さな工房の日記

日々の出来事、作品作り、美術品修復に関することなどを綴ります

2022-01-01から1年間の記事一覧

掛軸サンプル作り…の結果

掛軸サンプルの授業を昨日無事に終えました。 学生さんの反応は… …… …… …… いいのか悪いのかよく分かりませんでした。 おそらく、説明不足のせいかと思うのですが、 よく分からないけど 言われたとおりに切ったり貼ったりしたら完成した という感じだったの…

掛軸の形式を知るためサンプルを作りました

いろいろな事情があって、今年の授業では 掛軸の形式について話す回を設けました。 展覧会などでは意識しないと表装を気にしない ような気がします。 図録などで表装や額まで写真を載せることは少ない と思うのですよね。 そんなわけで、形式説明をしたうえ…

またまたノート(一折中綴じ)を作りました

4月1日、新年度の始まりです。 と言っても、新年度感はありません。 いつも通りの一日でした。 創作表具の製作がようやく終わり、 次は箱を作る予定です。 今日は、注文が来ているノートを作りました。 友禅和紙を表紙に使ったノート 友禅和紙と厚紙を表紙…

桜ほぼ満開の中、散歩をしました

昨日、久しぶりに散歩をしました。 最近は必要な時以外は出歩くことも減り 目的のないお散歩は本当に久しぶりでした。 東京は桜が満開というニュースがあった昨日。 家の近所でもほぼ満開という状態でした。 桜のアーチ。 上の写真の桜のアーチを逆側から撮…

仮張り板の作成~袋張り~(5層目・6層目)

蓑おさえ(蓑縛り)の次は、「袋張り」です。 袋張りは、うけ張りとも言います。 私はずっと袋張りと呼んでいるので、うけ張りという 呼び方にはなじみがないです…。 表具の事典には「うけ張り」で出ています。 袋張りは、上張り(一番上の層)の引っ張る力…

仮張り板の作成~みのおさえ~(4層目)

少しずつ進めている仮張り板つくり。 今日は、4層目。 3層目で、周辺にだけ糊を塗った紙を 重ねながらクッションになる層を作りました。 4層目は、それをならして平らにします。 できるだけ凹凸を少なくします。 今回は紙全体に糊を塗り、しっかり貼って…

美術館をはしごする

昨日、久しぶりに美術館に行きました。 東京都美術館で開催中の 「ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展」 と 東京国立博物館で開催中の 「ポンペイ展」 17世紀オランダ絵画展は、純粋に絵画を観たいというより 展覧会オリジナ…

来年度の教材探し

この時期になると必ずやらなければいけないこと。 来年度の講義で使用する教材探し。 修復実技の授業で使うので、ほどよく損傷がある作品を 探す必要があります。 授業を行うようになってからの春休みのお仕事です。 そして見つけた版画がこちら。 主な損傷…

仮張り板の作成 ~みのがけ~(3層目)

かなり時間が経ってしまいましたが、 今回は「仮張り板の作成~みのがけ~」 3層目の下貼りです。 1層目 骨縛り 2層目 胴張り に続いて3層目。 これまでとは紙の貼り方が全く異なります。 楮の紙を使うのは同じですが、この楮紙を 帯状に切ります。 その…

最近買ったかわいいもの

最近、ちょっと疲れていたので 癒しが欲しいと思って、ついつい購入して しまいました。 指サックです。 かわいい。

屛風の骨を組み立てる

今日は、骨の組み立てを行いました。 仮張り板を作る工程を途中まで説明しましたが 屏風はそれとほぼ同じです。 胴貼りまで説明したので、今回の組み立てで 続きの工程を説明していこうと思います。 と言っても、毎日ではないので作業をしたときに 少しづつ…

和紙の整理

最近、ある産地の和紙について学ぶ機会があったので、 これを機会に、今まで集めていた和紙の整理をしてみました。 修復の勉強を始めたころから少しずつ集めてきた 和紙。 様々な産地、異なる原料、手漉き、機械漉きなど 違いはいろいろ。 データをとってい…

小さいノート綴じ終わり

昨日、急ぎの作業があったため綴じ終わらなかった ミニノート。 本日綴じ終わりました。 仕上げも終わり完成です。 今日はこれを完成させるためだけに仕事をした 訳ではなく、急なお仕事の依頼でバタバタしていました。 明日もこの作業の続きになりそうです。…

小さいノートを作る準備

修復の仕事は、待ち時間が多い。 糊を塗って乾燥するまで待つ、 水で洗って乾燥するまで待つ、 薬液を塗って乾燥まで待つ、 乾燥待ちが本当に多い。 そんなときは、ノート作りの準備をしたり 資料を読んだり、講義資料を作ったりします。 今日は、ミニノート…

忘れられた和綴じノート

先日ミンネで登録している和綴じノートが 旅立っていきました。 頻繁に売れているわけではないのですが、 作っているものとして興味を持ってもらえたこと 使ってみようと思っていただけたことをうれしく思っています。 時間のある時にノート作りをしているの…

創作表具~総裏~

撫刷毛と打刷毛のはなし ようやく総裏(上裏)までたどり着きました。 総裏とは、掛軸や巻物を作る際の裏面の仕上げとなる 最後の裏打ちのことです。 宇陀紙という和紙を使用します。 楮に白土を混ぜた紙です。 接着剤には古糊をつかいます。 以前古糊の水替…

和紙いろいろ

修復作業や仕立てをしていると 様々は和紙を使用します。 同じ産地の和紙でも厚さが違う など使用する目的によって必要なものが 異なります。 また手漉き和紙だけではなく、機械漉き和紙も 使用します。 様々な和紙を使用するとはいえ、 それほど購入するこ…

創作表具~耳折り~

雪の日になりました。 今日は昨日の続き、耳折という作業をしました。 軸の幅を決め、縁の裂地を折り糊でとめます。 軸袋と八双袋を接着してから張り手を接着する という方法もありますが、 私は耳折後、袋の位置に線を引いて張り手を付ける と習ったので、…

創作表具~切継ぎ~

先週までの忙しい日々が終わり、 のんびり作業をしています。 今日は作品の周りに裂地を貼っていました。

卒業制作展に行ってきました

先日講師をしている大学の卒業制作展に行って来ました。 (修復なので制作とは言えないですけど...。) 私は紙作品の修復を選択した学生の実技指導のみをしているため、 他の学生の作品や担当学生の仕上げは、毎年この卒業制作展で 知ります。 今年は内容も…

今日は裏打ち

やる気が起きない、というか気分が乗らないというか そんな日々が続いています。 授業など人と会うときは、気持ちをあげるように 頑張るのですが、一人で仕事しているとやる気が出ないを 言い訳にダラダラと過ごしがちです。 そんな日々から抜け出すべく、少…

古糊の水替え

今年度最後の授業で、毎年行っているのが 「古糊の水替え」です。 古糊というのは、大寒のころに作った糊を 甕にいれて、冷暗所で5年以上ねかせたものです。 新糊(作ってすぐの糊)よりも接着力が弱く柔軟な 仕上がりになるため、巻物の裏打ちに使われます…

仕立ての準備

今月も早いものでもう19日。 昨日は素敵な満月でした。 あわただしい日々が少しだけ落ち着いたと思っていたら 来週からまた忙しくなりそうです。 今年もありがたいことです。 さて、ここ数日は仕立ての準備をしています。 裂を選んでいるんですが、どうもし…

本のクリーニング中

1月もすでに11日。早いですね。 先週から講師をしている大学の授業も始まり、 通常が戻りつつあります。 でもまだなんとなく気分が乗っていないので、 仕事の進みがゆっくりです。 さて、そんな今日の仕事は本のクリーニング。 背表紙が壊れた本の修理を依…

2022年仕事始めは、糊炊きから

明けましておめでとうございます。 仕事納めの日から今日まで、1週間。 家でのんびりしていただけですが、 あっという間に過ぎました。 今日から仕事開始です。 初日は糊炊き。 糊がないと何もできない、というわけではないのですが、 糊作業が待っているの…