Diario di Carta-Studio 小さな工房の日記

日々の出来事、作品作り、美術品修復に関することなどを綴ります

仮張り板の作成~袋張り~(5層目・6層目)

蓑おさえ(蓑縛り)の次は、「袋張り」です。

袋張りは、うけ張りとも言います。

私はずっと袋張りと呼んでいるので、うけ張りという

呼び方にはなじみがないです…。

表具の事典には「うけ張り」で出ています。

 

袋張りは、上張り(一番上の層)の引っ張る力によるねじれや反りを

防ぐ目的で、薄い和紙の周辺にだけ糊をつけて張って

いく工程です。

できるだけ紙の重なりが少なくなるようにレンガ積みのように

ずらして貼ります。

 

5層目・6層目としたのは、

下袋・上袋という2層をまとめて袋張りというのであえて

2層ということにしました。

下袋は、4辺まっすぐカットするまたは、2辺をくい先にします。

上袋は、4辺くい先にします。

工房によって違うこともあるかもしれませんが、

私は、下は4辺ナイフカット、上はくい先と習いました。

 

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糊つけ中

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周辺糊付け

 

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線が雑ですが、こんな風に同じ位置に紙の重なりが

来ないように貼っていきます。

斜線部分は紙が重なっているところです。

 

これで残すはあと1層となりました。

今回は紙にこだわらず作っていますが、

最後の層に張る紙が足りなくなったので、

それを準備してから最後の層を行います。