Diario di Carta-Studio 小さな工房の日記

日々の出来事、作品作り、美術品修復に関することなどを綴ります

仮張り板の作成 ~みのがけ~(3層目)

かなり時間が経ってしまいましたが、

今回は「仮張り板の作成~みのがけ~」

3層目の下貼りです。

1層目 骨縛り

2層目 胴張り

 

に続いて3層目。

これまでとは紙の貼り方が全く異なります。

楮の紙を使うのは同じですが、この楮紙を

帯状に切ります。

その帯を半分重ねながら板に貼っていきます。

糊は紙全体に塗るのではなく、縁の部分にだけ

塗ります。

こうすることでクッションのようになります。

1層目2層目で骨の歪みをおさえ、3層目で下貼り

に柔軟性を与えるという役割を果たします。

 

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紙が半分くらい重なっているのが見えますか?

2層目も見えているので分かりにくいかもしれませんが…。

 

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どんどん進めていくとこのようになっていきます。

ちなみに半分重ねていくこの方法は、二辺みのといいます。

三分の一ずつ重ねるのは三辺みのとよばれています。

 

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みのがけ終了。

ホコリがたまらないように天地ひっくり返しています。

 

久しぶりだったので、貼り方を忘れていてちょっと

戸惑いましたが、始めると体が思い出したようで

勘違いしていたことを修正し、順調に進みました。

仮張り板の作成を何回も行うことはないので、

繰り返しやりたいな、と思ったら屏風を作るしかないのか

と思いつつ、仕立てにしろ修復にしろいつ来てもいいように

今回しっかり復習していきます。

仮張り板の作成は屏風の作成とほとんど同じです。

紙の種類が異なる層もありますが、基本は同じ。

 

次回は4層目のみのおさえです。

このふわふわの状態をおさえるための層です。

 

Minogake serves as a cushion, providing flexibility to

shitabari.