Diario di Carta-Studio 小さな工房の日記

日々の出来事、作品作り、美術品修復に関することなどを綴ります

創作表具~総裏~

撫刷毛と打刷毛のはなし

 

ようやく総裏(上裏)までたどり着きました。

総裏とは、掛軸や巻物を作る際の裏面の仕上げとなる

最後の裏打ちのことです。

宇陀紙という和紙を使用します。

楮に白土を混ぜた紙です。

接着剤には古糊をつかいます。

以前古糊の水替えについてお話ししたときに

(1月21日「古糊の水替え」)

説明したように、何年もねかせることで

接着力が弱く柔軟になります。

軸ものを作るときには、古糊の柔軟さが必要になります。

 

けれども、接着力が弱いためしっかりと圧着させるため

打刷毛とよばれる刷毛で十分打たなければなりません。

 

作ったばかりの糊を使用するときは、撫刷毛という刷毛を

使用します。

どちらもシュロでできているのです(撫刷毛はシュロだけでは

なく羊毛などもあります)が、その重さというか厚さが違います。

 

これは撫刷毛を横から見た写真

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こちらが打刷毛を横から見た写真

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厚みが全然違います。

重いです。もっと厚さのある打刷毛は

重すぎて使っていません。

この重さでしっかりと紙を圧着させます。

久しぶりに使ったので、腕が疲れました…。

 

敷干し後、仮張り板に貼ってしばらく乾燥

させます。

続きは2週間後くらいに。

 

運動不足で体が重くなったため、リングフィット

アドベンチャーを再開。1か月くらいやっていなかった

ため、久しぶりに筋肉痛。

筋肉痛の時の打刷毛作業はよりつらい。

作業内容を考えてやればよかったです…。