Diario di Carta-Studio 小さな工房の日記

日々の出来事、作品作り、美術品修復に関することなどを綴ります

源氏物語絵巻の修復完了!!

先日、徳川美術館所蔵の『源氏物語絵巻』の修復完了の

ニュースを読みました。

源氏物語絵巻 13日から徳川美術館で初公開 修復完了(毎日新聞) - Yahoo!ニュース

 

これまで徳川美術館所蔵の『源氏物語絵巻』は額に

収められていました。

装丁を変えると言うのは昔から行われてきており、

絵巻が額面装になることも珍しいことではなかったと

考えられます。

仕立てを変えるということもまた技術が必要で、

こうした仕立てる技術が修復技術にもつながって

いきます。

日本の修復技術は表具の技術と密接に関わっています。

そのような中で、「修復」についての考え方に変化が

ありました。

「壊れたから治す、ではなく、壊れないように防ぐ」

原形を尊重し、保存修復を行う

など修復保存に関する原則ができます。

原形を尊重するというのは、今後今の状態の装丁で損傷が

起きないのであれば、装丁を変えないということを含みます。

今回の修復は、額面装のまま保存することが巻いた状態よりも

傷む可能性が高いということで、巻子に戻した、ということです。

 

時間をかけての修復、作業の想像ができるだけに本当に大変な

作業だったと思います。

 

修復完了記念に徳川美術館では展覧会が行われています。

www.tokugawa-art-museum.jp

 

観に行けるといいなあ。

今週の講義でもお話しなくては!