Diario di Carta-Studio 小さな工房の日記

日々の出来事、作品作り、美術品修復に関することなどを綴ります

資料のクリーニングに関するワークショップをしました。

先日、「紙資料のクリーニング」を知りたいという

方々のために、クリーニングのワークショップを

行いました。

クリーニング自体は、それほど難しくはないのですが

古い資料は、紙が弱くなっているため、注意が必要ですよ、

ということを実際に行いながら説明をしました。

 

目的はクリーニングだったので、それだけでも問題は

なかったのですが、せっかく時間をいただいたので、

修復の原則、とか紙の劣化についてなどもお話させて

いただきました。

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上の画像に書かれている内容をお話ししてきました。

普段から資料に接している方々なので、熱心に

聞いてくださり、私もやってよかったととても

満足しています。

 

ところで、レクチャーとワークショップの違いって

なんでしょう。

このお話を受けたとき、「レクチャー」をお願いします、と

言われたのですが、私は「ワークショップ」を引き受けた、と

思っていました。

 

そこで、辞書(デジタル大辞泉)で調べました。

レクチャー 講義。講演。また、説明。それを行うことをいう。

ワークショップ 1 仕事場。作業場。

        2 参加者が専門家の助言を得ながら問題解決の

        ために行う研究集会

        3 参加者が自主的活動方式で行う講習会

 

これで考えると

「レクチャーを行った」は、講義をした、説明をした、

となるので今回はレクチャーを行った、も正しい気がします。

しかし、今回の目的は「資料のクリーニング」の方法を実際に

作業をしながら学ぶ、ということにありました。

ワークショップは、問題解決の場があるとともに参加者が能動的に

動くことができる場でもあります。

作業が伴ったときは、「ワークショップ」がいいのかなと個人的に

解釈をしてみました。

 

以前にもこの言葉の違いを考えた時があります。

その時は、海外の方相手のワークショップを行ったときなのですが

参加者と話をしていた時

I gave a lecture beforeと言ったときに

レクチャーしたんだ、ワークショップではないの?

と聞かれ

説明しながら作業をしたよ、と話したら

それなら

You gave a workshopだね。

と言われました。

海外の方の表現?というか言葉の使い方を学んだ時でした。

そんなわけで、作業を伴うときはワークショップだと

考えていたのですが、日本でも違いはないようだと

辞書を引きつつ、あらためて理解しました。

 

カタカナの言葉の意味を間違えていることも多いので

使うときには調べながら正しい言葉を覚えようと

40歳を過ぎても思います(笑)

 

資料保存や紙作品の修復などについてお知りになりたい方

興味のある方は、ぜひご相談ください。

カルタスタジオ(Carta-Studio)