Diario di Carta-Studio 小さな工房の日記

日々の出来事、作品作り、美術品修復に関することなどを綴ります

今週のお仕事(2021年5月24日~28日)ノートを作ったり、授業をしたり

今週のお仕事シリーズの再開です。

「〇月〇週目のお仕事」としていた時も

ありましたが、

「今週のお仕事」がしっくりきたので

こちらで進めていくことにします。

 

とはいえ、お久しぶりの今週のお仕事。

書いていないときに仕事がなかったわけでは

ないのですが、心の余裕が足りなかったことと

あまり詳しく書けなかったため、今週のお仕事

シリーズはお休みしていました。

 

今は保留になっている仕事(作品を預かっているものの

諸事情ですすめられない)がいくつかあり、

修復の仕事より大学での講義資料を作成したり、

ミンネで販売するための作品を作ったりしていました。

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こちらはイタリアンペーパーで作ったポチ袋。

 

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大福帳をまとめる綴じ方で綴じたメモ帳

 

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定番の和綴じノート

 

今週の大学の授業は、「いろいろな紙を知る!」をテーマに

洋紙サンプルボードを作りました。

アルシュの水彩紙(コットン100%)

ファブリアーノ ロサスピーナ(コットン60%)

MBM木炭紙(コットン75%)

KMKケント(クラフトパルプ100%)

など、材料の種類や割合の異なる紙を選び、

台紙に貼る、という私の授業では必ず行うものです。

様々な紙を知ることは制作するときにも役に立つはず

と思い、毎年行っています。

もちろん、これだけでは物足りないとも思っているので

それぞれの紙のpHを測り、紙の保存に大切なことは

なにか、という話もします。

ちなみに、紙のピースは、しょうふ糊、メチルセルロース

という修復で使用される接着剤だけでなく、

フィルムプラストという保存用粘着テープと

みなさんご存じセロハンテープも使って、

これから先、変色したり粘着が弱くなるのか

ということを観察していきます。

 

作ったものを持って帰らず卒業していく学生も

いるので、時々むなしくなることもありますが、

まあ、一人くらいの役に立っているだろうと思って

続けます。

 

「先生の資料はすごく役に立つことがまとめて

ありました」

と配布から1年経って言われたときには、

うれしいよりも、配布したときにちゃんと読んで~

と泣きそうでしたが…。

先生って大変ですね…。

 

学生の卒業制作の指導のために、私も勉強する

必要があり、残りは本を読んだり論文を読んだり

していました。

私自身もまとめたいことがあるので、今年度中には

必ず仕上げたいと思います!!

 

そういえば、図書館の蔵書をメールで送信できる

ようになるというニュースが26日にありましたね。

今のような状況で図書館の利用を制限されている

ときに、この改正著作権法が成立したことは

喜ばしいことだと思います。早く実施されると

いいですよね。

でも、紙作品や書籍の修復を生業としている私としては、

紙の本とデジタルの本との共存がうまくできると

いいなあと思っています。

紙の本もデジタルの本も読んでますし(笑)