Diario di Carta-Studio 小さな工房の日記

日々の出来事、作品作り、美術品修復に関することなどを綴ります

今週のお仕事(2021年1月12日~15日)ホコリをとったり、カビをとったり

お疲れ様です。

今日は金曜日。

急ぎの仕事がなければ、月~金曜日を

活動日としているので、土日はお休みと

しています。

 

では、今週を振り返ります。

 

今週は作品の「ドライクリーニング」を

行いました。

ドライクリーニングというのは、

①劣化の原因となる外部から物質(汚れ・

ホコリ・虫の糞・付着物など紙の表面に付

着したもの)を除去する

②画面や資料をよく見えるようにする

③水や有機溶剤などを使用する処置の前に

行い、汚れが紙の繊維に沈着するのを防ぐ

という目的で行われます。

 

消しゴム、刷毛、マイクロファイバークロ

スなどを使用します。

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誰でもできる、けれどもとても大事な処置。

それが「ドライクリーニング」です。

ゴシゴシやりすぎると紙の表面を傷めるし、

消してはいけないモノもあるので、簡単だ

けど注意が必要な作業でもあります!!

 

そして、今週の大学の授業。

なんと今週は今年度最後の授業でした。

授業は先週から引き続き、虫損を埋めたり

補強をしたりしていました。

その作業が終わった学生から、ページ順に

並び替え(丁合、丁揃え)をして、

綴じなおしをしてもらいました。

 

来年度も続けられるので、繕い作業が

終わっていなくても問題はないのですが、

綴じ直しまで終わっていると、ページを

失うことがないので安心できます。

そのため、綴じ直しが行える学生には

綴じ直しまで頑張ってもらいました。

 

毎年、最後の授業時に行うのが

古糊の水替え

古糊というのは、

大寒の時期に、小麦でんぷん糊を炊き、

甕の中に入れ、数年から10数年の間、

涼しく風通しの良いところで保存する

ことで出来上がる伝統的な材料の一つ

です。

大学でも一甕作っていて、大寒のころ

水替えを行います。

今年の大寒20日なのですが、20日

授業がないため、今週の授業時に取り替え

ました。

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カビを取りのぞき、水を替えます。

古糊の作り方は工房によって異なります。

私も、自分の師匠が行っていた方法で

やっています。

 

水替えをすると、

今年度の授業が終わったな、と

実感します。

 

来週からは、制作作業をします!