Diario di Carta-Studio 小さな工房の日記

日々の出来事、作品作り、美術品修復に関することなどを綴ります

作品の保存処置の一つ、マッティング

こんにちは。

週に1回は更新しようと思っていたのですが、

さっそく先週更新できず、今年の目標が…。

気持ち新たに続けていきます。

 

さて、ここ2週間ほどは

作品のマッティングを行っていました。

「マッティング」とは、

作品の保護(保管・展示・移動の際に安全に

取り扱えるようにすること)を目的としています。

 

マットの役割には、

・額の表面にあるアクリルやガラスなどに

直接作品が触れないようにする

・作品の平面維持

・展示する空間との調和を保つための色彩効果

があります。

 

マットには、

窓マット(ウィンドウマット、オーバーマット)

台紙マット(アンダーマット)

があります。

ともに作品に直接触れるため、安全な素材を使

用します。

(不適札な素材を使用した場合の損傷のお話は

また次回)

マットの準備ができたら、作品を台紙マットに

固定します。

 

作品に和紙ヒンジを接着し、

そのヒンジを利用して台紙に固定します。

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和紙ヒンジ

丈夫な楮紙を使用しています。

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   この部分。「くい先」と言ってい

ますが、水切りした部分です。

この繊維がバサバサと出ていることで

しっかりと接着されます。

 

和紙ヒンジを付けたら、それを

台紙マットに貼ります。

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これはT-ヒンジと呼ばれる固定方法

ヒンジサンプルを作り、説明に使って

います

 

その上に窓マットを乗せて完成。

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窓マットと台紙マットをつなげる

「ブックマット」という方法もあります。

作品の種類や大きさなどを考え、

適した方法を選びます。

 

作品を長く良い状態が保てるように

お手伝いをしています。