Diario di Carta-Studio 小さな工房の日記

日々の出来事、作品作り、美術品修復に関することなどを綴ります

今週のお仕事(2021年1月5日~1月8日)授業をしたり、接着したり

今日も寒い日になりました。

天気予報通りです。

大雪に悩まされている地域もあると思います

が、気を付けてお過ごしください。


先日、緊急事態宣言が出されたましたが、

大学は休校にならず、授業を行うことができ

ました。

安全対策はしっかりして、あと1回来週の授業

も無事に行えるように準備します。

今週の授業は、補紙(繕い)という作業を行い

ました。

補紙とは、紙に穴が開いたり、破れたりした時

和紙を貼りなくなってしまった部分を補ったり

補強する処置のことです。

紙に穴が開く原因は、虫に食べられてしまった

り(虫損)、インクが原因だったり、様々です。

また取り扱いが悪くて、紙を破いてしまった、

ということもありますよね…。残念ながら…

 

原因はいろいろありますが、結果として紙に穴

が開いてしまったときには、今後その個所から

さらなる損傷が起きないためにも処置をしてい

く必要があります。

教材として明治時代の資料を使っているのです

が、ところどころ破れていたり、虫による欠損

があったりしたので、紙の厚さをはかりながら、

数種類の和紙の中から資料に合う和紙を選んで

もらい、穴を埋めてもらいました。

まったく同じ紙を準備することはできないので、

似たような風合い、厚さ、色などをみて選んで

います。

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 こんな資料を教材として使用中

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穴が開いたり、折れたり、破れたり

 

こういう状態の資料を安心して使うことが

できるように処置をするのが修復の役目だ

と思っています。

 もちろん、美術作品のように使うというよ

りも鑑賞する際に妨げることがないように

処置を施す時もあります。

作品や資料にに応じて、どんな処置が必要

なのか考えながら処置方法も検討していま

す。

 

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   和紙いろいろ

 

別のお仕事では、接着剤が取れてしまい

取り扱いが困難になってしまった作品に

対し、再接着をしていました。

 

今年はどんな一年になるのか。

昨年よりもたくさんお仕事ができるように

頑張ってこうと思います。