Diario di Carta-Studio 小さな工房の日記

日々の出来事、作品作り、美術品修復に関することなどを綴ります

大学の講義が始まりました

3月から4月中旬までありがたくもお仕事が忙しく

ようやく落ち着きました。

落ち着いたのですが、今週から大学が始まりました。

私の出講日は木曜日のため、昨日が初回授業でした。

 

初回ということもあり、通常は実技を中心に行う

のですが、2コマずっと話し続けました。

テーマは「修復」ってなに?

修復とはどんなことをするのか、

いつ行うのかなど、

概論というのがいいのでしょうか

修復は壊れたモノを直すことだけど

最近は「保存修復」といって

壊れたモノを直すだけでなく、長く良い状態を

保つために適切な保存環境を考えなくてはいけないですよ

とか

壊れないために出来る予防をしましょうね

とか

災害などがあった時に適切に対応できるように

対策を考えましょうね

などをお話させてもらいました。

 

修復に興味を持ってくれている学生さんが

その興味を失うことがないように進めて

いきたいですね。

 

少しでも修復に興味をもたれた方のために

参考文献をいくつかご紹介します。

修復の理論

チェーザレ・ブランディ『修復の理論』三元社、2005

→ブランディのTeoria del Restauro1963の日本語翻訳です。

 

博物館資料の臨床保存学

神庭伸幸『博物館資料の臨床保存学』武蔵野美術大学出版局、2014

 

保存修復の技法と思想: 古代芸術・ルネサンス絵画から現代アートまで

田口かおり『保存修復の技法と思想 古代芸術・ルネサンス絵画から現代アートまで』平凡社、2015

 

今年度も頑張ろうって思っていますが、来週はGWでお休み

気合いが空回りしないようにやっていきます。

ちなみに次回は

紙の修復ってどんなことをするの?がテーマです。