Diario di Carta-Studio 小さな工房の日記

日々の出来事、作品作り、美術品修復に関することなどを綴ります

10年前のこと

東日本大震災から10年。

忘れてはいないけど、最近の状況に

振り回されてしまい、気持ちに余裕が

ないというのも本音。

 

10年前の今日、私は職場にいていつも通り

の仕事をしていました。

そして、激しい揺れに作業台の下にもぐり

揺れがおさまるのを待ちました。

静岡出身のため、小さな地震はたびたび

体験していたし、避難訓練は日常的に

行っていたので、今回もそれほど焦ることは

ないと思っていました。

思っていましたが、これまで体験したことがない

揺れにさすがに動揺しました。

 

その後、職場で待機し、東北の様子、都内の避難

状況をニュースで知り、今後の不安を感じていました。

この日、自宅に帰るのは諦めていたところ、

職場の近くに住んでいた友人から幸運にも連絡を

受け取れ、友人宅に泊めてもらえました。

 

非常時にどんな対応をとれるのか、というのは

その方の心の持ちようであったり、器の大きさで

あったりするのですが、この日のことが人の見方を

変えた気がします。

もちろん、私に対する見方も変わったのだと

思います。

 

それから数か月経ち、東北に震災後の資料保存の

お手伝いに行くことになりました。

私は、長くても1週間、短いときは2日間という

短期のお手伝いでしたが、あのときに少しでも

お役に立てていたのなら本当にうれしく思います。

 

あれから、東北に行くことはなく、今、どのような

状況になっているのかテレビで知るだけとなっています。

 

 

 

「話して思い出すのは辛いけど、覚えていてほしい」

「自分たちのような思いをしないようにしてほしい」

と言って、お話してくれました。

聞くことしかできなかったけど、大事なことを教えて

もらったと思っています。

 

 

 

10年前に石巻で撮った1枚

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 そういえば、避難用の荷物に

歯ブラシとパンツはいれておきなさい、と

強く言われたので、出張から帰ってすぐに

リュックにいれました。

 

そんなことを思い出した今日でした。