今日は最近のニュースについて
紙の損傷原因の一つに虫があげられます。
紙(書籍を含む)にダメージを与える代表的な虫はシバンムシ類とシミ類
です。
シバンムシ類の中でもフルホンシバンムシとザウテルシバンムシと呼ばれる
2種類が書籍や文書などにトンネル状に穴をあける虫です。
虫穴と呼ばれるとこんなのが想像できると思います。
これの原因が
↓
成虫は3ミリ程度
一方でシミ類(ヤマトシミ、セイヨウシミ、マダラシミ)は、糊付けした紙類
を舐めるように浅くかじり表面だけ加害する虫です。
こちらがヤマトシミ(『文化財害虫事典』より)
成虫のオスは8ミリ程度、メスは9ミリ程度
暗灰色の鱗片で覆われ、銀白色の光沢を帯びている
もちろんこれ以外にも紙に良くない虫はいますが、今回はこのシミに新種が
発見されたというニュースです。
博物館などで古文書食べる害虫「シミ」相次いで発見 外来種か | NHK
博物館などで紙の資料を食べることから害虫とされる「シミ」について、
国内ではこれまで報告が無かった種類が全国で相次いで見つかっていることが
分かりました。従来の「シミ」より繁殖力が高いとみられ、専門家は、文化財
などに被害が出るおそれがあるとして、対策が必要だとしています。
東京文化財研究所などのグループによりますとこの数年、国内の博物館などから
これまで知られていた種類とは異なる「シミ」が相次いで報告されたことから、
DNA解析などを行ったところヨーロッパや中米などに生息する外来種とみられる
ことが分かったということです。
この「シミ」は体長が1センチほどで色が白っぽいということで、グループでは、
和名として「ニュウハクシミ」と名付けました。グループによりますと少なくと
も国内の7か所で確認され、1か所で100匹以上捕獲されたケースもあったという
ことで、メスしか見つかっていないことなどからメスだけで繁殖できる可能性が
あるということです。グループでは繁殖力が非常に高いため、従来の対策では
十分ではない可能性があるとして全国の博物館などに注意を呼びかけています。
9月23日 HNKニュースより
様々なところで外来種による問題が挙げられていますがついに、文化財の
害虫にまで外来種が見つかるとは。
これまでの対策方法が有効ではない場合、あらたにまた保存対策を考える
必要が出てきます。
今はとにかく、定期的に見て(点検)、ホコリなどがたまらないように
お掃除をしてください。
微々たる力ですが、紙作品や書籍のクリーニングで困ったらお役に立てることが
あるかもしれませんので、ご連絡ください。