Diario di Carta-Studio 小さな工房の日記

日々の出来事、作品作り、美術品修復に関することなどを綴ります

「コプト製本」制作中 ①

製本技術を学ぶため、歴史製本のサンプルを作っています。

いつか作ろうと思い、なかなか始めなかった「コプト製本」を

制作中です。

https://www.instagram.com/p/CGXjOqIp_rP/

 

クルミ材を使用した完成品!)

 

コプト製本とは

紀元2世紀頃コプト教徒またはエジプトのキリスト教徒により

制作された製本法のこと。

チェーンステッチと呼ばれる綴じ方で折丁を綴じ、

オモテ・ウラ表紙と本文ブロックとつないでいます。

多くは、パピルスを重ねて表紙としていましたが、4世紀頃から

木の板も使用されていたようです。

(A Dictionary of descriptive terminologyより)

 

綴じ方の説明は「綴じ」の時に、今回は「表紙作り」です。

紙のボードを使用したサンプルは作ったことがあるのですが、

今回は木の板(クルミ・キリ・ヒノキ)を表紙にしました。

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写真はキリ材

 

木の種類に意味はないです。工房にあった板を使っています。

本来は加工に耐えられる硬さの木を使用していたようです。

中世ヨーロッパの本の表紙には、ポプラやブナなどが使われて

いました。

エジプトで生育している硬い木ってなんだろう??

 

表紙の加工がとにかく面倒です。

電動ドリルを使って穴をあけていますが、昔は手で穴をあけていた

のかと思うと本づくりの大変さを感じます。

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3パターンの加工法で作っています。

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ドリル使いが下手すぎて、ボードの中央に

穴があきませんでした・・・。

 折丁に書いてある線は綴じ位置の印です。

 

今回はここまで。